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- 2024年11月
iPhone 12シリーズのひとつの目玉機能として、ワイヤレス充電機能のアップグレード版であるMagSafeという機構があります。私自身、Qi(チー)タイプのコイル型(電磁誘導式)ワイヤレス充電は使い勝手が悪い割に充電スピードが遅いので否定派でした。
従来のワイヤレス充電の欠点とは
AppleはiPhone 8シリーズからワイヤレス充電機能をiPhoneに搭載してきました。しかし、当時はいかにAppleであろうともQiタイプのワイヤレス充電が抱える問題を解決できていませんでした。
使い勝手が悪い最大の理由は、充電器に内蔵されるコイルの中心とiPhoneの受電側コイルの中心の位置がぴったりと揃ってないといけないということでした。一般的なQi充電器の場合、コイルが1つしかありませんので指定した場所に、iPhoneではなくiPhoneの本体の中でも背面の特定の位置(ほとんど中心)を合わせなければいけません。
これが1cmずれると充電しなくなり、充電ができたとしても位置がずれていると充電効率も下がってしまい充電スピードが遅くなります。iPhone 8などはAppleロゴの位置に受電用コイルの中心がある訳ではないので、どこの位置に合わせて良いのか分からず、iPhoneの画面上で充電されるかどうかを見ながら位置を決めておかなければいけません。一部の充電器では左右に位置合わせのための機構があり、この問題を回避するようになっていますが、充電器自体が大げさになり、存在感が大きくなってしまいますので、そもそもワイヤレス充電は手軽にスマートに充電するためのモノではなかったのかと、原点に立ち返るきっかけになります。
さらには、たとえばベッドサイドで充電することも多いと思いますが、その際にも少しでも振動が加わったり、手が当たるようなことがあってiPhoneの位置がずれれば、起床してみたら充電できていなかったという最悪の事態が発生します。
そんなときには、このモバイルバッテリーと共に一日過ごすのも良いでしょう。Lightiningケーブルで充電した方が、絶対的に充電を実行することができ、圧倒的に充電スピードが早く、本来の目的を達成することができるからです。NuAns TAGPLATEならば、これまでの問題であったデザイン性、ケーブルが絡むなどを解決しているので最適です。とはいえ、毎日の家での充電の用途とは異なります。
ワイヤレス充電の欠点を解決したMagSafe機構
iPhone 12シリーズではMagSafe機構により、位置がずれてしまうという問題と共に独自の仕様で(相対的にこれまでのワイヤレス充電よりも)充電を高速化しました。Appleがこの問題点に気づき解決に向けて大胆な改革をしたのは素晴らしいことです。
ちなみに、MagSafeとは、過去にはMacBookなどのラップトップ型Macの充電アダプターの機構の名称で、電気ポットなどのようにケーブルを引っ張っても充電コネクター側が外れて、本体を引っ張って落としてしまわないための機構のことでした。MagSafe 2まである、かなり普及した名前だったので混同するため、他の名前にして欲しかったところです。Magnet(磁石)で充電がSafe(安全というよりも安心)に行なえるということなのかもしれませんが、さまざまな商標問題からピッタリの名前を付けられなくて、自社で所有している商標の流用をしたのかもしれません。
なお、この記事では現行製品のMacBook関係ではMagSafeが使用されていないことと、iPhone関連の内容であるということから特に断わりなく書いているMagSafeという名称については、iPhone用のワイヤレス充電機構としてのMagSafeのことを指します。
Apple純正MagSafeアクセサリーの問題点
問題点というほど大それた話ではないかもしれません。iPhone 12の発表時にMagSafeが紹介されて焦ったのは我々のようなサードパーティーアクセサリーメーカーの人間だったのではないでしょうか。そもそも、最近はAppleが純正アクセサリーを充実させてきていて、その圧倒的なブランド力からサードパーティーの余地を狭めてきています。それでも、サードパーティーにしか思いつかないさまざまなアイディア、Appleでは作れないような製品を作り続けていくしかありません。
さて、発表されたMagSafeアクセサリーを見て、大きく2つの印象を受けました。
1つ目は、Apple純正MagSafe対応クリアケースの不自然さです。クリアケースなのにもかかわらず、背面に大きな円形と短い線が浮き出ています。これはケースを使用した状態でMagSafeを使用するためのマグネットであることは自明ですが(後にNFCも内包していることが判明)、本当にこれで良いのかと思ってしまいました。iPhone本体の色によっては、恐ろしく白い輪っかとラインが目立ってしまいます。
2つ目はその高価格なところです。元々、Appleはハイブランドの位置づけなのでひとつひとつの製品が絶対的な価格として高いものばかりです(相対的にコストパフォーマンスとしての位置づけは製品に寄ります)。それにしても、クリアケースで6,050円(税込)です。
たとえば、当社SimpliemブランドでリリースしたMagSafe対応ではないものの、同等構造のクリアケース「Turtle」は1,430円(税込)です。そこからすると、相当な価格であることはご理解いただけるかと思います。
Simplism MagSafe対応クリアケース「Turtle」が解決したこと
Appleの位置ずれを起こさずに(比較的)高速充電を行なうというMagSafeの機構自体はとても良いものだと思います。実際に、充電以外の用途も広がっていきそうに思います。ただ、とても高価なiPhoneを裸で使い続けるのは怖いという人が多くいるのも事実で、ケースの必要性はまだまだ大いにあると考えています。Apple純正の2つの問題点を解決するのがサードパーティーアクセサリーメーカーとしてのSimplismの使命であると考えました。
Simplismの人気シリーズ「Turtle」は亀の甲羅のようなハードな背中部分と、グルップ部分にあたるサイドのしなやかを併せもったハイブリッドクリアケースです。前記のように元々MagSafe非対応のノーマルバージョンはiPhone 12シリーズ発売と同時にリリースしており、BCNランキングのiPhone向けケースランキングでもずっと1位をキープし続けている製品です。
Apple純正MagSafe対応クリアケースを補完するためには、このTurtleシリーズを使うのが最適だということで、TurleシリーズのMagSafe版を開発しました。性能や機構としてはまったく同じでMagSafeに対応したバージョンとなります。
MagSafeの磁力とワイヤレス充電
まずApple純正と比べて磁力については同等になるように磁石を選定しており、磁力を測定して同等の性能に揃えています。他社のことをあれこれ言うのは良くないと思いますが、市場調査のために購入したApple Storeで販売されているサードパーティーMagSafe対応ケースや、インターネットで販売されているようなケースでは、磁力が足りてないものもありましたので、この点についてはSimplismは心配ご無用だということを表明しておきます。
一点、Apple純正と異なるところは、NFCを内蔵していないため、Apple純正では装着時にiPhone上でアニメーションが再生されるギミックが用意されていますが、その機能はありません。これはこれで遊び心があって良いかなと思いますが、実際問題何度も着脱するものでもありませんし、大きな問題にはならないかと思っています。なお、iPhone 12発売時にApple Storeで発売されていたサードパーティーケースもこのギミックを搭載していません。
磁力が同じということもあり、MagSafe対応とうたうすべての製品に対して、Apple純正MagSafeクリアケースと同等の互換性があります。当然、ワイヤレス充電もMagSafe充電器と組み合わせていただければ、MagSafeとしての機能をしっかりと発揮することができます。
半額以下のコストパフォーマンス
MagSafe対応Turtleシリーズは2,970円(税込)となっており、Apple純正の6,050円(税込)と比べると半額以下となっています。それでも通常のTurtleに比べては2倍くらいの価格になってしまっているのは一にも二にもMagSafe用のマグネットです。また、このマグネットを追加するのに別途加工が必要になっているので、射出成形機でどんどん打ち出せるものではなくなっているという工程の違いもあります。
通常のクリアケースと比べれば高くはなっているものの、Apple純正と同等機能ながら半額以下を実現しているので、かなりのコストパフォーマンスといえるでしょう。
余談ですが、Apple純正MagSafeクリアケースはAppleロゴが入っていません。レザーケースやシリコンケースなどはAppleロゴが入っていることでブランド力が高まるということがあり、価格が高いのもブランド価値と取ることができます。しかし、このクリアケースに限ってはロゴがありませんので、使っていてAppleロゴをさりげなくアピールすることができません。それならば、価格が安い方が良いに決まっていますね。
さらに、Simplism Turtleは同等品を安くしたというだけではないポイントがあります。
単に同等品というだけでなく、付加価値をつけて
Simplism TurtleシリーズはMagSafe版に限らず、そもそもApple純正クリアケースよりも優れている点があります。それは、背面素材の硬度です。
Turtleシリーズは背面にハードな素材、側面には衝撃吸収用のソフト素材を使ったハイブリッドタイプです。この背面のハードな素材は一般的にはポリカーボネート(PC)と呼ばれる素材を使用しています。Apple純正クリアケースもPCを使用しています。しかし、ポリカーボネートは耐衝撃性や透明度に大きな価値があり、たくさんの用途に使われている素晴らしい素材です。しかしながら、小さな傷がついてしまうという欠点があります。
Turtleシリーズではウルトラファインアクリルという素材を使うことで、5Hという高硬度を実現しています。この硬度は鉛筆硬度と呼ばれる基準で測定していますが、数字の意味については上記の記事をご覧ください。そして、簡単に言うとこの数字が高い方が傷つきにくいということになります。人の爪は2H程度と言われており、一般的なPC素材は2B程度で爪でも傷がついてしまうということになります。
せっかくのクリアケースなのに、背面が傷だらけになってしまうということでは長く使っていく上では残念な気持ちになってしまいますことは間違いありません。せっかくですからずっと美しく使い続けたいのがユーザーの心理です。Turtleシリーズは5Hの高硬度ですから、実は画面を保護する液晶保護フィルム(保護ガラスではない安価なタイプ)よりも固いということになりますから、安心して長く美しく使い続けることができます。
Appleよりも、ディテイルにもこだわる
さらに、MagSafe版ではマグネットのカラーにもこだわりました。Apple純正は白一色であるのに対して、TurtleシリーズではiPhone本体色に近いバリエーションを用意していますので、ケースを付けたときに目立たずに使ってもらうことができます。MagSafeは機能・機構上の特長としてユーザーにメリットをもたらしますが、デザイン上は大きく目立たせるものではありません。種類が増えると製造が大変だったり、在庫コントールが難しくなるのですが、ユーザーのメリットを考えれば、Apple純正にない付加価値を提供するのがサードパーティーの役割と考えました。
小さなことですが、Turtleにはストラップホールも装備しており、落とさなくしたり、アクセサリーを付ける余地も用意していてユーザーの使い方を広げるような工夫もしてあります。もちろん、耐衝撃性もアメリカ国防総省軍事規格であるMIL-STD-810Gに準拠していますので、第三者機関が認めた耐衝撃性を兼ね備えていますから、万が一落としたときにも安心です。
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このようにApple純正にはない付加価値を織り込みつつ、価格的には圧倒的なコストパフォーマンスを誇るSimplism Turtleシリーズで、美しくiPhoneを守りつつも、MagSafeで確実な充電機能や広がるアクセサリーでより良いiPhoneデジタルライフを過ごしてもらいたいと思います。開発担当かんかんが書いた記事も読んでいただけると本人が喜びます。
そして、今回は触れませんでしたが、同様にMagSafe対応シリコンケース「CUSHION(クッション)」シリーズも登場していますので、お好みに合わせてご検討ください。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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